第四惑星に訪れた大船団と王たちの記録(王立図書館の史料)

第四惑星ヴェルシー

 ジアド星系の第四惑星ヴェルシーは星系唯一の巨大ガス惑星であり、二十三個の衛星を持つ。現代では、そのうち七つの衛星がそれぞれ独立国家としての主権を持ち、「月の盟約」によって微妙な均衡のもとに平和が保たれている。
 

ペサラ人の大船団

 ヴェルシー系は星の恵みを充分に受けており、それゆえに古来から幾多もの民族を呼び寄せた。ISC4000年頃、最初の入植者であるペサラ人の大船団がこの惑星系に到達した。ペサラ人とは当時ファラザド宙域を数世代かけて放浪した民族集団で、言語体系などから現在のアルミラ人と共通の祖先をもつと言われている。彼らが入植地として最初に選んだ衛星はネフザキスであった。その後百年以内にアパクにサイ人、カーマイにモルヒト人、ジメイルにハウザッフ人、イニスにミアイト人が次々と移住した。
 

王立図書館の史料より

 バロイの王立図書館の史料を検索すると、これらの民族や王たちの記録を見ることができる。それによると、モルヒト人の王とサイ人の指導者は縁戚関係にあり、この二つの民族が元は同じ集団に属し、王族同士の政治的な争いにより分裂したことを示唆している。また、ミアイト人の女王クルペルイの娘タフィザがモルヒト人の王に嫁いだなど、民族同士の交流(あるいは争い)の記録も数多く見られるので、彼らがヴェルシー系にやって来る以前から深い関係があったようだ。ただし、ハウザッフ人だけはこういった記録はなく、遠方(おそらくはイウロペス辺り)から移動してきた異民族のようである。
 入植後百年程はこれらの民族は比較的協調関係にあり、互いに盛んに貿易も行なっていた。しかし、モルヒト人の王ハバラがサイ人に攻撃をしかけると状況は一変する。

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