宇宙の彼方からやってきた正義の味方?

≪ 第27話「自慢してください」

第28話「宇宙の彼方からやってきた正義の味方?」

「君たちは正義の味方よね?」
 店の前に集めたモックたちにそう尋ねると、
「もちろんさ!」
「ぼくたちモックは正義のヤークルさ!」
「宇宙の彼方からこの月を救うためにやってきたんだよ!」
と口々に叫んだ。群のリーダー格のクルマロに頼んで、町中のモックたちを呼び集めてもらったのだ。共和国には、こういうモックの小集団があちこちの町に点在して好き勝手に暮らしている(本拠地は月面にある)。

 嘘つけ。たまたまこの月に不時着しただけでしょう。そんなことを思いながらも、とにかくやってもらいたいことを告げることにした。

「君たちよりうんと小さくてか弱いヤークルが、モレブ人のお屋敷の檻の中に閉じ込められているの。どう思う?」
 ゆったりとした口調でそう言うと、
「かわいそうだよ!」
「助けなきゃ!」
「モレブ人って、ほんとに悪いやつだよね!」
とまた大騒ぎする。すべてのモレブ人が悪人というわけではないけれど、まあそれは置いておくとして。
「頼もしいわね。その意気よ。でもね、作戦には段取りってものがあるから、よく聞いてね …… 」
 私は計画の第一段階を丁寧に説明した。

 それから私は倉庫へ行って、手の平ほどの幅の金属板をぐるりと輪っかにした形状の装置を運んできた。モックたちは目を輝かせて
「おおー! 何だこれー!?」
「フラフープかな」
「どうやって遊ぶのかな?」
と装置の周りに集まって大騒ぎ。
「きっとすんごい装置だよ。どうなってるのかな?」
 エンジニアのプットがポケットから万能工具を取り出した。
「分解するな!」
 私は咄嗟に叫んで制止する。それから「こほん」と1つ咳払いをして、
「この装置をね、セア・エットのいる部屋まで運んでほしいの。それが何かと訊かれたら『玩具だよ』とでも言って適当にごまかしなさい。そして誰にも見られないときに、寝台の下にこれを置いてほしいの。それから、セア・エットにこう伝えてね …… 」
 忘れたり間違えたりしないように、伝えるべき台詞を復唱させてからモックたちを送り出す。彼らは力を合わせて装置をかついで「えっほ、えっほ」とリズムをとりながら、一時待機場所となる『星屑の壺』に向かった。

 ≫ 第29話「工学生命体は販売致しておりません」

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