性格が合わないようです

≪ 第33話「ロボットを買います」

第34話「性格が合わないようです」

「小っこいくせして、えらそうに」
 先日購入したロボットのシェムタルがそんなふうに挑発する。
「身体の大きい小さいは関係ないでしょー!」
 セア・エットが言い返す。
「小さいなら小さいなりに、分をわきまえて大きいもんの言うことをきく。それが道理ってもんだべ」
 意味がわからない。
「何よ、ロボットのくせにー! セア・エットは工学生命体だよ! あんたなんかよりずーっと上等な生き物なんだからー!」
「んだと!? 人を …… でなくて、ロボットを見下すとは許せね!!」
「そっちが先に、セア・エットを小さいって馬鹿にしたじゃん!」

 私は溜息を吐いて、スープを口に運ぶ。
 一昨日、2人が出会ってからというもの、ずっとこの調子だ。
 相性最悪というべきか、互いの性格がまるで合わないらしい。
「ぱくぱくぱく。美味しいなー。楽しいなー。セア・エットはこうやってご飯を食べられるけどー、シェムタルはロボットだから無理だよねー」
 セア・エットはそう言いながら、これ見よがしにジャガイモを食べてみせる。
「食ってやるともさ!」
 そう言うと、シェムタルは鉄骨むき出しの手で無造作に私のパンを掴んで口に放り込もうとする。
「ちょっとやめなさい! 壊れるわよ!」
 買ったばかりで故障されてはたまらない。私は慌ててシェムタルを止めようとしたけれど、また馬鹿力でどかっと後ろに撥ねのけられた。
「痛い!」
 壁に思い切り背中をぶつけた。古傷がずきりと痛む。
「あー! 食べちゃった!」
 セア・エットが叫んだ。
「もぐもぐもぐ。ああ、うめえな、こりゃ」
「嘘つけー! あんたに味覚なんてないでしょー!」
 セア・エットが手をぶんぶん振りながら叫んだ。それからまた2人はずっと何かを言い合っていたけれど、私はもう一切取り合わず、黙って食事を続けていた。

 ≫ 第35話「お出かけしましょう」

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)